君が僕の名を呼ぶから


「聡史はこのベッドと机を使ってな。で、俺が寝坊しそうな時は起こして。それだけ頼む。」




「……うん、分かった。」




彼は、とても明るい人だった。




太陽のような人だった。




「さて、大体こんなところだけど、聡史は何か質問とかある?」





彼は、僕がそんなことを考えていると尋ねてきた。



「……あの、どうしてみんな笑ってるの?」




僕は、ここに来てからずっと疑問に抱いていたことを彼に尋ねることにした。





彼は、僕のその質問を聞くと一瞬表情を曇らせたが、また笑顔になった。





「……笑ってると楽しいからだよ。」




「えっ?」




「みんな最初から笑顔だったわけじゃない。聡史や涼子みたいになかなか笑えない頃があった。」




彼は、何か遠い記憶を思い出すかのように話を始めた。
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