君が僕の名を呼ぶから
「俺も最初は祐吾くんに反抗してばっかりだったよ。俺は一年生の時からここにいるけど、今みたいになるには時間がかかった。」
「……そう。」
やっぱりみんな何かを抱えているんだという思いと、話を聞くのが段々怖くなってきた思いが交錯していた。
「……俺の両親は離婚してて、母親に引き取られたんだけどさ、母親が育児放棄みたいな感じで、ご飯がなかなか食えなかったんだ。だから、5年生になった今でもなかなか背が伸びない。」
「……なんかごめんなさい。」
「いいって。これからは一緒に暮らしていく仲間なんだから。……そろそろ夕飯かな?行こっか。」
「……うん。」
僕はまだ笑うには時間がかかるだろう。
でも、ここで精一杯生きていこうと思った。