キミはボクのモノ
「あたし先中行ってるね」
「ちょ、待って‥‥!」
「え?」
ガシッとあたしの腕をつかむ光紀くん。
女の子も不思議そうに光紀くんを見ていた。
「あー‥香奈ちゃん」
「んー?」
光紀くんはあたしの手を掴んだまま再び女の子に向き直る。
「俺、もう色んな女の子と遊ぶのは止めたんだ」
「へ?なんで?」
「好きな子ができたから」
まっすぐに女の子を見て言い放った光紀くんに少し胸が高鳴った。
「好きな子?‥ふうん」
女の子はチラリとあたしを見た。
「?」
「そっか。じゃあ光紀、がんばんなよ。本当はあたし、光紀に話があってきたんだよね」
「え?なに?」
「あたし、彼氏できたからもう光紀と遊ばないって」
「へ、そなの?おめっとー」
ありがとう、そう言ってニコニコしながら女の子は帰って行った。