続 初めての恋 ~大切なあなたへ~
そう言って麗を抱き抱えるように湯船から出してくれた。

恥ずかしがる麗が洗ってる姿を透は微笑ながら見ていた。でもいつもとは違う少し寂しげな表情で…


「綺麗だな麗、俺麗の全てが好きだよ。笑った顔も、泣き虫な顔も、怒った顔も…全部好きだよ」


お風呂から出た二人は、言葉もなく、何度も優しく優しくキスをした。


そして…今までよりもずっと時間をかけて、ぬくもりを感じあった。


「麗…愛してる…」


耳元で透の囁きを聞きながら…


透の優しさを感じながら…


麗は透の腕の中で眠った。


次の日、透は空港まで電車で行く事になり、駅まで見送る事になった。朝から透は慌てていた。


「麗?ストラップについていたハート型の…どっかに落ちてないか?」


透と私の記念日とイニシャルが彫られた、ハート型の物だった。


「ないみたい…探しておいてあげるから、行かないと。間に合わなくなるよ…」


「うん…ごめん…頼むな~」


玄関でキスをした。


これが透との最後のキスになるなんて…


「寂しい顔しない!麗は笑顔が可愛いんだから~じゃあね。行ってくるよ」


「待ってるから~」


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