続 初めての恋 ~大切なあなたへ~
二つ目のメールは、透が転落事故を起こす直前のものだった。


[麗、昨日はメールも電話も結局できなくてごめんな。
昨日は、朝方まで飲んで、皆に今度来る時には、俺の結婚相手連れてくるから~って言ったら、喜んでくれて。
早く皆に、俺の麗を紹介したい。
大好きだよ麗~!
麗の笑顔が一番好き。じゃあ、午後にはで]

ここで終わっていた。透の携帯を抱きしめながら麗は泣いた。


もう、透とのぬくもりを感じることも、触れることも


永遠にできない…


大切なあなた…私だけを愛してくれた…


私は、きっとまた透を忘れるために、どれだけ泣くのだろうか…


でも、いつかきっと、透の好きな笑顔に戻れるように、なれると思うから…


今だけは、怒らないでね。


後日、会社の人から連絡があり、透の転落は近所の子供達が、誤ってのせた、バドミントンの羽根を、屋根から取ってあげようと思い、踏み外した…と聞いた。


透らしい優しさを麗は感じた…
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