続 初めての恋 ~大切なあなたへ~
店内は、ちょっぴり薄暗く、静かな感じだった。


「麗、何頼む?」


二人でメニューを見ながら、パスタと飲み物を注文した。


向かえあって座ると、ちょっと照れくさい。透も照れくさいのか、窓の外を眺めながら、飲み物が来るのを待った。


飲み物が来ると


「二人の再会に…乾杯!俺ってキザー!」


と笑ってみせた。


透はグラスを置くと


「麗、いっぱい恋したか~綺麗になったもんな。きっといい恋してるんだな」


と言ってきた


「透はどうなの?たくさんの女の子、泣かしてきたんじゃないの~」


「俺、女泣かすように見えるか~」


「見える!!絶対見えるよ~素敵になったな…透……」


パスタが運ばれてきた。二人は食べながら、透の引っ越し先の話し、方言の話し、バイトの話しで盛り上がった。


ただ二人とも、恋人の存在という部分には触れなかった。


今は、この大切な時間を二人で楽しく過ごしたかった。


車に戻った二人は、ラジオから流れてきた懐かしいメロディを黙って聞いていた。透の部屋で寄り添いながら聞いた曲~

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