続 初めての恋 ~大切なあなたへ~
「今日はどこに泊まってるの?」


「街中のホテルだよ」

「明日も仕事あるんだよね…私は…休みなんだけど」


「明日は午前中に仕事片付くけど…麗を誘っていいのかな?」


「誘ってくれるの…」

「もちろん俺は、嬉しいけど、麗用事とか…彼氏とデートとかじゃ…」


「彼氏なんていないよ…」


「麗、今恋してないのか?」


麗は答えなかった。ずっと忘れられない人がいます。なんて…言えない…言ってまた苦しくなるのがわかっているから…


家の近くまで来て、透は車を止めた。


「明日、1時に迎えに来るよ。ここでいいかい?」


「うん。待ってるね」

「じゃあ明日」


車から降りた麗を透は見送った。


麗はこの再会が夢ではないかと疑った。でもさっきまで、透は自分の隣で微笑んでいた。

宝箱のフタをあけると、あのストラップが光っていた。麗の大切な宝物…透とオソロイのストラップ。


急にあの頃の事を思い出して…そして今日ふたたび再会できた喜びとで、胸がいっぱいになっていた。明日また会える…

< 9 / 34 >

この作品をシェア

pagetop