極上お姫様生活【完】
トイレにある小さい鏡に、姿を映す。
浴衣は可愛いけど、肝心の着ているあたしが残念すぎる。
みんな、失望するだろうな…。
せめても、と思い、髪をアップにしてみる。
少しでも浴衣に似合うような髪型にしてみた。
「…うう、」
恥ずかしいのと、申し訳ないので、中々トイレから出ることができない。
そわそわしてると、トイレの外から催促の声がした。
「蒼空ちゃん着れたー?もう出れる?」
「あっ、はい」
促され、勢いで飛び出す。
中村君と目が合った瞬間、中村君の目が見開かれた。