極上お姫様生活【完】
学園祭が始まっても、クラスのお店はまだ開かない。
外でパフォーマンスがやっていて、それが終わってから。
このクラスはかっこいい人が多いから、どこのクラスよりも客入りが早い!
…らしいので、あたしは急いで白のテーブルを拭いていた。
モノクロを基調とした、気品があって落ち着いたクラスはいつもとは違う、全くの別世界だった。
あたしは慣れない服装を気にしながら、淡々とテーブルを綺麗に磨く。
―――数十分前のことを、思い出しながら。
「どこ行ったんだろ…」
あたしはプリントを持って、櫻田君を探していた。
仕事内容と時間配分のことがまとめられたプリントを、橘君と櫻田君に渡しておいてほしいと頼まれたのだ。
教室の装飾をしていた橘君はすぐに見つけられたのだが、櫻田君の姿が見当たらない。
中村君に聞いても、さぁ?と首を横に振るだけだった。