極上お姫様生活【完】
早く見つけないと、準備が遅れちゃう。
急いで探し回っていると、廊下の突き当たりで段ボールを持った男の子と正面衝突。
「…っ!」
思い切り、尻餅をついてしまった。
お尻がじんじんと痛む。
「すまない、浅村。…怪我はないか?」
「いえ、こちらこそすいませんっ」
すっと差し出された手を遠慮ぎみに握って、顔を上げる。
…あ。
「櫻田君!!」
ぶつかった相手は紛れもなく、今一番会いたい人だった。
「なんだ、そんなに慌てて」
櫻田君は相変わらず無表情で、段ボールから落ちた装飾用の飾りを拾っていた。