極上お姫様生活【完】

早く見つけないと、準備が遅れちゃう。



急いで探し回っていると、廊下の突き当たりで段ボールを持った男の子と正面衝突。




「…っ!」

思い切り、尻餅をついてしまった。



お尻がじんじんと痛む。





「すまない、浅村。…怪我はないか?」


「いえ、こちらこそすいませんっ」



すっと差し出された手を遠慮ぎみに握って、顔を上げる。




…あ。


「櫻田君!!」




ぶつかった相手は紛れもなく、今一番会いたい人だった。





「なんだ、そんなに慌てて」


櫻田君は相変わらず無表情で、段ボールから落ちた装飾用の飾りを拾っていた。



< 171 / 397 >

この作品をシェア

pagetop