極上お姫様生活【完】
「今、仕事中。あと僕の蒼空ちゃんに触るな」
中村君があたしを後ろに引き、抱き締められないようにがっちり肩を掴んでいた。
「邪魔すんのかよ、ナースさん」
からかうように、八木原君が鼻で笑う。
「もう、斎は盛りすぎなの。もっと蒼空ちゃんに気を遣いなさいー」
いーっと舌を出して威嚇する中村君。
そんな行為、可愛いとしか思わないよ。
「とにかくみんな仕事しよ!売り上げは僕たちに掛かってるんだから!!」
「あぁ、分かったよ」
八木原君はキュッと鉢巻きを締め直し、女の子の群れに戻っていった。
「蒼空ちゃんも頑張ってね!何かあったら僕に言って」
「はい」
コクンと頷くと中村君は笑って、受付の方に戻っていった。
あたしも、頑張らなくちゃ。