極上お姫様生活【完】


「…許可するわけないだろう」


許可してもらわないと、このお店潰されちゃうんです。


言いかけた言葉を飲み込んで、ぎゅっと唇を噛む。





「お願いです、すぐに戻ってきますから」




もう一度頭を下げると、堪忍袋の緒が切れたように櫻田君が怒鳴った。







「いい加減にしろ!!皆に迷惑掛けるのが分からないのか!!!」





ビクッと身体が跳ねる。


周りの人が一斉にこっちを見て、辺りが騒然となる。





「…来い」


周囲の目線を気にしたのか、櫻田君があたしの腕を掴んで準備室に入る。



準備室とは、教室の隅にある着替え用の狭いスペース。



< 184 / 397 >

この作品をシェア

pagetop