極上お姫様生活【完】
「…許可するわけないだろう」
許可してもらわないと、このお店潰されちゃうんです。
言いかけた言葉を飲み込んで、ぎゅっと唇を噛む。
「お願いです、すぐに戻ってきますから」
もう一度頭を下げると、堪忍袋の緒が切れたように櫻田君が怒鳴った。
「いい加減にしろ!!皆に迷惑掛けるのが分からないのか!!!」
ビクッと身体が跳ねる。
周りの人が一斉にこっちを見て、辺りが騒然となる。
「…来い」
周囲の目線を気にしたのか、櫻田君があたしの腕を掴んで準備室に入る。
準備室とは、教室の隅にある着替え用の狭いスペース。