極上お姫様生活【完】
「お二人さーん、いい加減仕事してくんない?」
準備室が勢いよく開けられて、あたしと櫻田君は目を合わせたまま硬直。
「ねぇ、聞いてんの?」
明らかに不機嫌そうな、橘君の声。
「…邪魔を」
櫻田君は、ギリ…と歯を噛みしめ、橘君を睨む。
なんか険悪な雰囲気なんですけど……。
「あ、ごめんなさいっ!すぐ戻ります」
危ない雰囲気を断ち切るように、あたしは頭を下げた。
「…よろしく」
橘君は櫻田君を睨んだまま、お客様の元へ戻っていった。
「仕方ねぇな」
あたしと櫻田君は、お互い顔を見合わせて苦笑いを浮かべながら、準備室を後にした。