極上お姫様生活【完】
◎LOVE*LIFE/#05
旅行券の行方
淡々とした口調でそう告げた。
一気に声が消えて、みんなが松神先生に注目する。
「ていうかみなさん、何を調子こいて盛り上がってるんですか。隣の教室から苦情殺到してるんですけど」
申し訳ないと一瞬眉を下げるが、すぐに顔を上げる。みんな全く反省してない様子。
「んなことより、残念なお知らせ…って?」
あぁ、と松神先生はあたしたちに向き直った。
「旅行券が人数分用意出来ませんでした」
非常に残念です、と悲しそうに先生は言うけど、その顔には笑みが浮かんでいた。
「はぁ!?聞いてねぇぞ!!」
「えぇ、今言いましたから」
旅行券が人数分取れなかった…ってことは、何人かの分は取れたってことだよね?
「取れたのは10人分です」
行けるのはクラスの3分の1。