極上お姫様生活【完】
「なっ…、教師が生徒を脅すなよ」
「本気ですが」
先生はくるりと向きを変えて、あたしの目を真っ直ぐ捉える。
え、なに。
「どうやら、私と浅村さんだけの二人旅になるそうです」
笑みを浮かべながらあたしの髪に指を絡め、色っぽい瞳で見つめてくる先生。
「え、え?」
「どうしてそうなるんだ。浅村は俺たちと行くんだろう?」
「そうだよ、蒼空ちゃんを独り占めなんて許さないぞ!」
「蒼空に触るな、変態教師」
みんなの声なんて聞こえてないかのように、先生はあたしから目を逸らさない。
「っ、」
熱が顔に集まるのを感じて先生から視線を外しても、その熱は冷めない。