極上お姫様生活【完】
「おい、あんたの言うこと聞くから蒼空から離れやがれ」
八木原君がため息混じりにそう言うと、先生は心底嬉しそうな顔をして。
「では、旅行の計画は全て私が立てますので、みなさんは一切口出さないで下さいね」
先生の満面の笑みとは裏腹に、冷たくピリピリとした空気が部屋を包んだ。
「…分かったよ」
みんながぎこちなく頷くと満足したのか、先生はもう一度あたしの髪に触れ、部屋を出て行った。
「畜生、あんな時だけ教師の権限使いやがって」
中村君の口から、あるまじき言葉が飛び出す。
思わずビクリと反応して、中村君を見る。
「おい、遥登。本性出てっぞ」
「おまけに蒼空が怯えてっぞ」