極上お姫様生活【完】
「あは、あはははは」
あたしが笑い出すと、顔を赤らめていた先生はぎょっと目を見開いた。
「なっ、何で笑うんですか!?」
「だって、朝から冗談きついです先生」
「冗談なんかじゃ―――」
「あたし、応援してます!翼ちゃんと頑張って下さいね」
「ちょ…っ、」
後ろから聞こえる否定の声を無視して、あたしはバスに乗り込んだ。
一番後ろの真ん中。右隣には八木原君と櫻田君。左隣には中村君と橘君。
「松神の奴、何であんなショボくれてんだ?」
「知らねー、それより俺…気持ち悪い」
「は?なにお前、酔ったんか?」
「まだバス動いてねーのに?」
「だっせーな、ほら薬やるから飲め」
周りがガヤガヤ盛り上がってる中、あたしは誰にも気付かれないよう、こっそり息を吐いた。
……びっくりした…。