極上お姫様生活【完】
ていうか。
ていうか!
今改めて思ったら、いろいろ危ない事に気が付きました。気が付いちゃいました。
息が掛かるほどの至近距離に、狼さんが一匹。
あたしの膝に頭を乗っけて甘えてくる二匹目の狼さん。
さりげなくあたしの手を握ってくる三匹目の狼さん。
さりげなくあたしの頭を撫でてくる四匹目の狼さん。
チラ、と前方を見ると、その他の狼さんとバッチリ目が合ってしまった。
何故みんなこっちを見てるんでしょう…しかもそんな野生的な目で。
身の危険を感じ、思わず身震いしてしまう。何か悪寒が…。
「蒼空、震えてるぞ?」
とにかく寝よう。寝てしまおう。
頭がぼぅっとして何も考えられなくなっていき、次第に考える事すら面倒になったあたしは、ゆっくり瞼を閉じた。