極上お姫様生活【完】
「いや、俺じゃないけど」
え?
「浅村、気が付いたか」
橘君があっさり言いのけた時、息を切らせた櫻田君が入ってきた。手にはペットボトル。
「櫻田君…っ」
今度は頭がくらくらしないように慎重に起き上がる。
櫻田君は汗を拭いながら、あたしにペットボトルを差し出した。
「水分補給しておけ」
「ありがとうございます、心配掛けてごめんなさい…」
ペコリと頭を下げてから、ペットボトルを受けとる。ひんやりと冷たくて気持ちいい。
「他の連中は向こうで遊んでる。……けど、みんな心配してたぞ?」
みんなに余計な心配掛けちゃった…後で謝っておこう。
あ。
「あの、翼ちゃんは!?」
そういえば翼ちゃんは無事なのかな。あの人たちに何かされてたりしたら…。