極上お姫様生活【完】
「若宮先生なら、松神先生と話しているが…呼んでくるか?」
「え!?あ、いや大丈夫です!!」
よかった…無事だった。とりあえず今は邪魔しないでおこう。
「蒼空ちゃん、立てる?そろそろみんなのとこ行こうか」
いつまでもここで休んでるわけにはいかないよね。それにせっかくの海だからたくさん遊びたいし!
あたしは笑いながら返事をして、ベッドから降りる。お世話になった人たちにお礼を言ってテントを出た。
相変わらず眩しい日差しが照りつける。
シートに着くと、八木原君がだるそうに寝っ転がっていた。あたしたちに気付くと直ぐに身体を起こし、安心したように笑った。
「蒼空、大丈夫か?」
「はい、ご迷惑お掛けしました」
八木原君はあたしの頬を撫で、眉をひそめる。
「悪い…痛かったろ」