極上お姫様生活【完】
「蒼空ちゃん、ありがと」
振り返ると、中村君がホッと安堵の息を漏らしながらあたしに笑い掛ける。
やっぱり、助けてよかった。
「おー、無事だったか」
両手に色違いのかき氷を持って、楽しそうに笑う橘君。その隣には櫻田君。
「僕がピンチの時に呑気にかき氷買ってたのか…こいつら」
「まぁまぁ、俺らより蒼空ちゃんに助けてもらった方が嬉しいだろ」
橘君が笑顔を見せながら中村君にいちご味のかき氷を渡す。それだけで上機嫌になる中村君が可愛くて仕方ない。
「浅村、どっちがいい?」
「え、」
櫻田君がズイ、と二つのかき氷を差し出す。
一つはメロン。一つはレモン。……悩む。
眉をしかめながら櫻田君の両手を交互に見ていたせいか、あたしの気持ちを察したかのような顔をする櫻田君。
「もしかして、いちご味がよかったか?」
いやいや、ブルーハワイが!!…ってなに我が儘言ってるのあたし!
「、メロンがいいですっ」