極上お姫様生活【完】
ぐい、と顎を掴まれ、そのまま上を向かされる。無表情の八木原君と目が合う。
「…何も分かってねぇな」
「え?」
悔しそうに、悲しそうに目を伏せる八木原君。どうしてそんな顔するの…?
「さっきは悪かった、ただの嫉妬なんだ」
嫉妬…?
八木原君はあたしから少し離れて窓から外を眺める。
「お前が遥登にばっか構うから、やきもち妬いた」
え、……えぇ!?
「や、やきもち…」
いつも大人で余裕のある八木原君が…やきもち?あり得ない。
「…え、えと」
こうゆう時、何て言えばいいんだろう…。とりあえず顔が近くて恥ずかしいです。
「…何でか、お前の前では余裕なくなる」
「え…」
「あんま嫉妬させんじゃねーよ、おかしくなりそうだ」
かあぁと顔が熱くなる。み、耳元で囁かないで下さい!