極上お姫様生活【完】
「嫌だ」
即答ですか。
「でも…あんまり遅いと心配させちゃいますし」
暑いし…この二人きりの空気はまずい。緊張でぶっ倒れそう。
「ほら、またあいつらの事」
「…え、?」
強く手を引かれ、八木原君の腕の中に閉じ込められる。肌が密着して、心臓が跳び跳ねた。
「や、八木原君…?」
「今は俺の事だけ考えて。あいつらの存在は抹殺して」
ぎゅっと背中にまわる腕の力が強くなる。
「やっ…、八木原君…っ」
頭の中で、八木原君の声が響く。夏の暑さとは違う熱が上がる。
「脱がしてやる」
暫くの沈黙の後、八木原君が身体を離しながらあたしのパーカーに手を掛けた。
「……!!?」
うわ…っ、ダメダメ!恥ずかしすぎる!!