極上お姫様生活【完】
「……」
あれ。
長い静寂。あたしも八木原君も動かない。
どうしたのかと、そろり目を開けてみる。
「…八木原君?」
顔が赤いけど、どうしたんだろ…。
「わり、何か緊張してるわ」
緊張!?何に対しての!?
「女の服脱がすのなんて簡単な事なのに…。相手がお前だと、死ぬほど緊張する」
情けねぇ、とぎこちない笑顔を浮かべて目を逸らす八木原君。
何か……可愛い。
「ぷっ」
こんな照れてる八木原君見たことない。思わず笑みが溢れた。
「…笑うなよ、」
「ごめんなさい、…ふふっ」
あたしに我慢する気がないと分かると、八木原君はむっと唇を尖らせて。
「え、」
グイと腰が引き寄せられて、一気に距離が縮む。顔が近付いたと思ったら、そのまま唇を重ねられた。
抵抗する暇もなく、落とされるキス。