極上お姫様生活【完】
「え?」
悲しそうな顔より、笑顔が見たい。笑ってる浅村が好きだ。
「謝らなくていいから、笑って?」
こんなに感情が揺れるの、久しぶりだな。柄にもない事ばっかしてる。
暑さで頭がおかしくなってるのか。
「…櫻田君、みなさん、ありがとうございます」
嬉しそうにそう言って、ふんわりと柔らかい笑顔を浮かべた浅村を見ると、こっちまで嬉しくなる。
……やっぱり、笑った浅村が大好きだ。
「どういたしましてー!ね、泳ごうよ蒼空ちゃん!!」
「はいっ!」
仲良く手を繋いで海へ駆け出していった遥登と浅村。何か幼く見える。
「可愛いよな、蒼空ちゃん」
隣で砂をいじりながら、遊哉が呟く。
「可愛いなんてもんじゃねぇだろ」
その隣で斎が茶化すように笑う。………そういえば。