極上お姫様生活【完】
「嬉しかった、あんたとここに来れて。だから余計、悔しかったんだ」
「櫻田君……」
「お前を大事にしたい。焼きもち妬いてる所なんて恥ずかしくて、見せたくなかったんだよ」
どうしてそんなに優しいの…。あたしなんか…あたしなんか……。
「っ、でも…実際あたしはみなさんに迷惑―――」
「迷惑なんかじゃないって、いい加減分かれ」
口元に八木原君の人差し指が押し当てられ、顔を覗き込まれる。わ、顔近いっ…。
「大切な女に情けないとこなんか見せれるかよ、プライドってもんがあんの」
「…、八木原君」
何を誤解していたんだろう。…ちゃんと、考えてくれていたんだ。