極上お姫様生活【完】
雰囲気が温かくなってほっとしていると、彼と目が合った。
じゃれるように騒ぐみんなの間をすり抜け、あたしの目の前に立つ。そのまま腰を屈め、あたしと同じ目線になる。
「浅村…」
「っ、櫻田君…?」
「迷惑だなんて、思ってないから…。俺たちから離れようとするなよ」
「え…?」
かああ、と身体の熱が上がったような気がした。多分、櫻田君の熱っぽい瞳のせい。
「傍に、いろ」
「……、はい」
あたしの居場所はここにしかない。離れたくなんかないよ。