極上お姫様生活【完】
海から歩く事、5分。
「うわあぁ…」
なにこのホテル。大きすぎませんか?
「松神先生のお友達、お金持ちなんですね…」
「そうですね、羨ましい限りです」
とか言いつつ笑顔を浮かべている松神先生もきっと、お金持ちなんだろうな…。
「さ、入りましょう」
促され、すくんだ足を持ち上げる。ドキドキしちゃいます。
創業30年になるらしいけど、衰えをまったく見せない綺麗で豪華なホテル。
広すぎて、ぼんやりしてたらみんなとはぐれちゃいそう。
「私たちの部屋は3部屋あります」
大きなエレベーターで11階まで上がる。ロビーを抜けた突き当たりの3部屋が、扉を開けて待っていた。
「蒼空ちゃんは俺と一緒でいんだよな?」
至って自然に、当然の如く聞いてくる橘君。