極上お姫様生活【完】
「気持ちの整理がついて、答えが出たら教えて?いつまでも待ってるから」
答え…。
「………分かりました」
ぎゅっ、と唇を噛み締めて遥登君を見る。彼は本気なんだ。
あたしも真剣に考えて、答え出さなきゃ。
「じゃあ、戻ろっか?」
「はい」
普段通りの笑顔にほっとしながら、あたしたちはホテルの中へ戻った。
「また明日ね」
別れ際、手を振って遥登君を見送る。一人になった途端、力が抜けてその場にへたり込んでしまった。
緊張……したよぉ…。
「何やってんの蒼空、早く入りな」
ぼうっとしていると扉が開いて中から翼ちゃんが顔を出した。
「翼ちゃああん」
「え、なに、何事?」
緊張の糸が切れたのか、翼ちゃんを見た瞬間涙がポロポロ溢れてきてしまった。
翼ちゃんは戸惑いながらも、泣きじゃくるあたしを抱えて部屋に入れてくれた。