極上お姫様生活【完】
耳元に唇を寄せてふっと息を掛ける。
蒼空は身震いしながら震えた声を絞り出した。
「駄目です…こんなのっ…」
「何が駄目なんです?」
クスリと笑いながら、蒼空の髪を梳く。
「せんせ…には、翼ちゃんがいます」
思わず動きが止まる。蒼空は強い瞳で俺を睨んでいた。
「はい…?」
「あたし、翼ちゃんを応援したいんです。翼ちゃんの気持ち、知ってますよね?」
……何だ、それ。
「あの…だから、こんな事しないで下さい…先生」
生徒と教師。
その事実を蒼空に叩きつけられた気がした。生徒に手を出すなと、言われてる気がした。……いや、実際そうか。
蒼空を諦めて、若宮翼と付き合えと?
「むかつく」
「え…?」