極上お姫様生活【完】


「でも蒼空は、…その、まだ」

「はい。身体はこの通り汚れていません」



自嘲気味に笑う。




‘あなたたち、自分のやっている事が分かっているんですか’


‘怒んないでよー’


‘馬鹿みたい……気持ち悪いっ!’



「それからずっと典型的な苛めを受けました。上履きに画ビョウを入れる、などという実に幼稚なものです」


それに耐えて、耐えて耐えて。



…あたしは、中学校を卒業した。こんな過ち、二度としないと誓って。



「今も……可愛いとか、好きとか…あんまり信じられないんですよね。みなさんの事を疑っているわけではないんですけど」


さっきも中村君に告白されて、松神先生にもキスされて……頭がこんがらがってる。


冗談でやってるわけじゃないのは分かってる。でも、あたしなんかにあんな事するわけない、とも思ってしまう。



素直に受け入れられないあたしは、何て捻くれているんだろう。



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