極上お姫様生活【完】
「は!?お前蒼空ちゃんに何してんだよ!」
瞬間、橘君の表情が変わる。違う、違うのに…!
今にも八木原君に掴み掛かりそうな橘君。
「別に。苛めてたわけじゃねぇよ」
「…尚更問題なんだけど。襲ってた、とか言ったら殴るよ?」
黒いオーラを放つ遥登君と櫻田君。
何とかしなくちゃ…!
「あの…!実はみなさんに聞きたい事がありまして」
ビシッと手を上げて、注目される。
「浅村…?」
不思議そうな顔であたしを見るみんな。どうしても、これだけは知りたい。
「えと…今日海で倒れた時、あたしを介抱してくれたのは……誰ですか?」
あの時、橘君は確かに俺じゃないと言った。だったら…誰?
みんなは意味深に顔を合わせて、すぐにあたしに向き直った。その瞳は真っ直ぐで真剣そのもの。
「俺だよ」