極上お姫様生活【完】
「え?」
魅力…?
「きっと振り向かせてみせる。何があったって、嫌いになんかなれないから」
そう言って翼はニッコリ笑う。吹っ切れたような笑みに、あたしも笑い返した。
「あー久々に思いっ切り泣いたから、何かすっきりしたわ」
目腫れないといいな、と顔を洗いに洗面所に向かう翼。
あたしもそろそろ用意しなきゃな。
「翼ちゃん、今日はどこへ行くんですか?」
「何よ今さら。翼でいいわ」
間髪入れずに指摘される。その言葉に思わず笑みがこぼれた。
「…翼」
また一歩、仲良くなれたんだ。それが嬉しくて、あたしは翼に抱き着いた。
「翼ー!」
信頼できる存在がある事がこんなに幸せだなんて。昔のあたしに教えてあげたい。
「今日は完全自由行動よ」
翼は少し身体を離し、あたしにパンフレットを手渡した。
「自由行動?」