極上お姫様生活【完】
昔ながらの商店街巡り、人気沸騰中の遊園地、空気が綺麗な獣道散歩ツアー……ここにはたくさんの名所があるみたい。
「…縁結びの社」
着替えを済ませ、パンフレットを眺めていると、大きく書かれたその文字が目に入る。
ちなみに松神先生と翼は部屋の前にいなくて、しばらく待っても結局戻ってこなかった。
「ここでキスをすれば、…二人は永遠に結ばれる」
なんてベタな。
と思いつつ、胸が高鳴るのはどうしてだろう。あたしはドキドキうるさい心臓を押さえながら、続きを読み進めた。
―――まじあり得ねぇ、お前ら帰れよ。
ふいに外が騒がしくなる。今の声は橘君かな。
―――嫌だ!俺らにだって蒼空ちゃんと過ごす権利があるはずだ!!
―――ねぇから。
ん?何の話だろ…。
―――蒼空ー起きてるかー?
「はいっ!…今開けますね!」
返事をしながら急いで扉を開ける。そこにはいつもの四人。
と、…クラスの男の子多数。