極上お姫様生活【完】
「えっと、はい」
迷うことなく答えるとみんながにっと笑う。
「うしっ!じゃあちょっとしたらまた来るから、それまでに準備終わらせといて」
「はいっ!」
部屋に戻る四人を見送ってから、扉を閉める―――瞬間。
「わ、待って蒼空!」
翼が勢いよく部屋に滑り込んでくる。危うく挟んでしまうところだった。
「おかえりなさい」
「ただいま!…って、あんたまだ準備終わってなかったの!?」
え、
「大体終わりましたよ、後は荷物を鞄に詰めるだけです」
そう言うと翼は、はぁあ…と、ため息を重々しく吐いた。
「あんたねーせっかくの旅行なんだからもっと弾けなさいよ」
弾けるって…どうやって?
ポカンと間抜けな顔をして首を傾げると、翼の口から二度目の呆れた息が漏れた。