極上お姫様生活【完】
手渡された鏡を覗けば……これ、あたし?
「…すごい」
「素材が良いんだからこのくらい当然よ。あいつらも驚くでしょうね」
化粧でこんなに変わるんだ。まるで別人…。
「ほら、固まってないで!ついでに髪もやってあげるから」
「え!?」
髪までやってくれるの!?
翼の優しさに泣きそうになりながら、あたしは身を委ねた。
「いたっ…!翼引っ張りすぎじゃあ…っ」
「煩いな、集中してるんだから黙ってて!」
そんな事言ったって…痛すぎるっ!
あたしはさっきとは違う涙を溢しそうになって、それを耐えるためにぎゅっと目を瞑った。
「アップの方が可愛いかな、あー巻いてもいいわね!」
翼は楽しそうにあたしの髪を遊ぶ。
しばらくして、後ろから翼の歓声が聞こえた。