極上お姫様生活【完】
「蒼空やばい!可愛い!!」
翼が鏡を持ってくれているけど、興奮のせいかその手が震えてよく見えない。
「貸して下さいっ」
鏡を奪い取り、覗き込む。
ハーフアップにされた髪がクルクルと巻かれている。素直に可愛いと思った。
「っ…ありがとうございます!」
「いいのよ、だって親友だもんね」
お互い顔を見合わせて笑う。
―――蒼空ー。
「っ!」
やば、みんな来ちゃった!?
浮かれ気分から、ハッと我に返る。まだ鞄の中は空っぽ。
「わわ、用意終わってない…!」
「私出るから早く詰めちゃいな」
「あ、はい…!」
みんなの事は翼に任せて、さっさと荷物を詰める。女の子にしてはあまり重くない鞄を持って玄関に走った。
「お待たせしました…!」