極上お姫様生活【完】
「おーいい天気だな」
ひと騒動終えてやけに機嫌のいいみんな。こっちはクタクタですけどね。
「じゃ、私たちはこっちだから!気を付けてねー」
「ちゃんと帰ってきて下さいね」
ホテルを出た瞬間、翼と松神先生が別れを告げる。あの二人、うまくいくといいな。
「じゃあ、あたしたちも行きましょうか」
「だな。行きたいとことかあんのか?」
行きたいとこ…。さっき見た縁結びの社が思い浮かんだ。いやでも、あれはカップルで行くものだし…。
「とりあえず観光だろ。適当に食べ歩きながら気になるの見ていけばいいんじゃねーの?」
何も言えなかったあたしを庇うように八木原君が提案する。
「そうですね!観光しましょうっ」
反対する理由はどこにもないし。あたしは声を弾ませて同調した。
「じゃあ決まり!」
にっこり笑ってあたしの手を取ったのは、遥登君。