極上お姫様生活【完】




「っ…すいませーん!」


「いらっしゃい……あら?」



うどん屋さんはさっきより混雑していて、あたしたちが座った席にも人がいた。




「あの、ここにピンク色の携帯ありませんでしたか?」


「携帯?…うーん、見てないねぇ」




見てない…!?じゃああたしはどこに置いてきたの?



不安が高まり、居ても立ってもいられなくなる。すいません、とペコリ頭を下げてうどん屋さんを飛び出す。


この前に寄ったのは確かお寺…。




一目散に駆けてその寺を目指す。集合時間が迫っていた。



「あの…っ、け、携帯見てませんか?…ピンク色のっ…」




「んん?…落とし物はないですよ」



ああもう!一体どこに行っちゃったんだろう。




日が暮れて辺りが暗くなっても、諦めるわけにはいかなかった。


「もう怒られてもいいや……とにかく早く見つけないと」



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