極上お姫様生活【完】
ぎゅっと力強く握られた蒼空の携帯を見て、ふと思い出した。
―――思い出いっぱい残しましょうよ!
―――俺写真映り悪いからなー参っちゃうな。
―――とか言ってバリバリ真ん中に入ってきてんじゃねぇよ。
―――はい!じゃあ撮りますよっ!
「……、写メか」
確かその携帯には、今日撮りまくったたくさんの写メがあるはず。
‘大切な仲間’フォルダに移していた蒼空を見て笑ったのを思い出す。
「写メって、…今日のか?」
嗚咽を繰り返しながら、蒼空が小さく頷く。
「みなさんとの思い出です……これだけは、なくすわけにはいかなかったんです…っ」
そんなに携帯が大事なのか…なんて怒鳴った事を激しく後悔する。
携帯じゃなくて、俺たちを想ってくれていた。
「怒鳴って悪い。…ありがとう、蒼空」
「悪いのはあたしです…!勝手な行動して、迷惑掛けて、…っごめんなさい!」