極上お姫様生活【完】
え…。
「ここ、俺らの部屋なんだ。覚えてるか?」
……全っ然記憶にございません。
「あのっ…じゃああたしすぐ出ていきます!」
そう言って再度身体を起こすが、またグラリ目が回ってしまった。
駄目だ、身体がついてこない。
「いいから休んでろって。またぶっ倒れられても困るしな」
どうやら今ここで無理する方が迷惑みたい。大人しく寝ておこう。
「あの、他のみなさんは…?」
そういえば姿が見えない。どこに行っちゃったんだろ…。
「もう出てるぜ」
……ん?
「出てる、って…」
「松神先生が全員連れて帰った。ここにいるのは俺と蒼空と若宮先生だけ」
時計を見ると、すでにお昼を回っていた。本来の出発時間は確か9時だったはず…。
「八木原君っ…どうして残ってるんですか…?」