極上お姫様生活【完】
「待ってたよ蒼空!」
「あ、みなさん…!」
バスから降りるのと同時に遥登君が駆け寄ってくる。その後ろに橘君と櫻田君が続いた。
「もう大丈夫なのか?」
「はいっ、ご迷惑掛けてごめんなさい」
ペコリと頭を下げると、遥登君たちはにっこり笑って首を振る。
「気にしないで!」
ね?と遥登君が首を傾げあたしに微笑みかける。顔が赤くなるのを感じながら、あたしも笑って頷いた。
「では、全員揃ったんで解散します。浅村さんはちょっと残って下さい、話がありますので」
う、怒られる…。
「分かりました…」
松神先生の容赦ない目付きに肩を窄めながら、あたしは小さく返事をした。
「俺ら待ってっから」
橘君が頑張ってな、と片手を上げて笑う。無理です、頑張れないです。
「じゃあ行きましょうか」
「……はい」