極上お姫様生活【完】
「いっ、いつの間にそんな展開に!?」
パクパクと声にならない声を上げている翼をしっかり支え、照れ臭そうに笑う先生。
「ついこの間から」
「…本人驚いてますけど」
顔を真っ赤にさせたままの翼に視線を移す。明らかに知らなかった様子。
「まだこいつには言ってないんだ。…今から告おうと思って」
「え!」
今この場で告白するつもりですか!?翼フリーズしちゃうんじゃないでしょうか…!
「ほら翼、ちゃんと俺を見ろ」
固まったままの翼の顎を掴んで、無理矢理顔を向けさせる。
「あさ…ひ」
「俺が辛いとき、お前はいつも傍にいてくれた。隣でいつも笑ってくれた。…お前の笑顔に、何度も救われた」
既に翼の瞳には涙が溜まっていて、今にも零れ落ちそう。それを必死に堪える翼を見て、先生がくすりと笑った。