極上お姫様生活【完】
「……あたしも、勇気もらいました」
ポツリ呟けば、二人が同時にこっちを向く。
「いつまでも待たせちゃ駄目ですよね」
心は決まってた。伝える勇気がなかっただけ。弱かっただけ。
「頑張って蒼空。私はいつでも、蒼空の味方だから」
「もちろん私もですよ」
「ありがとうございます…!」
―――大丈夫。
想ってる全ての気持ちを、包み隠さず伝えよう。
「行ってきます」
二人に笑顔を向けてから、あたしは部屋を飛び出た。
走って、走って、走って。
彼は多分、あの三人と一緒にいるから。どうしよう、呼び出すしかないかな…。
「あ、蒼空!!おかえりー!」
え…。
いつの間にみんなの所に戻ってきてたみたい。遥登君が駆け寄ってきてくれる。