極上お姫様生活【完】
「あ、あの…遥登君」
覚悟を決めるって、勇気を出すって、…そう決めたんだ。震える拳に力を込める。
「……聞いてほしい事が、あります」
「うん」
真剣な眼差しがあたしを捉える。
「えっと…あの、」
何をどう言ったらいいのか、どう伝えるべきなのか―――。パクパク口を開けてみるけど、言葉が出てこない。
「落ち着いて。ゆっくりでいいから、ね?」
遥登君がふんわり笑う。思わず力が抜けて、握っていた拳が緩んでしまった。
「あ……」
「何があっても最後まで聞くから」
遥登君は優しくあたしの手を握って、大丈夫、と囁いた。
ありがとう……遥登君。
「遥登君があたしの事を好きだと言ってくれて、すごく嬉しかったです」
あたしなんかを好きになってくれるなんて、信じられなかったし。
「うん」
「たくさん元気もらって、笑顔もらって…遥登君といるといつも楽しくて」
あぁ声が震えてしまう。おまけに泣きそう。