極上お姫様生活【完】
包み隠さずに、全部
「お前ら海行ったんか!羨ましいぞこの野郎ー!」
…。
「いいなー俺たちも行きたかった」
………。
「蒼空ちゃん!遠慮しないでこっちこいよ」
「あ…いえ」
何だこの状況。
遥登君と別れた後、彼を探しに部屋を尋ねたら。
―――イェーイ!!!
その部屋は既に宴会場へと変貌を遂げていた、と。
しかも。
「それ、お酒…ですよね」
「えー?ちゃうちゃう、甘いジュースらよー」
呂律回ってないじゃないですか。
「蒼空ーほら、ここ来いよ」
「八木原君…」
「いいや、こっちこい」
「橘君まで…」
未成年は飲酒禁止です。何してるんですか皆さん。
こんな所誰かに見られたら、停学じゃすまない。早く止めないと…!
「浅村さん…、やっと来たんですね」
群れを掻き分けて松神先生がひょこっと顔を出した。あれ!教師いるじゃん!!
何だか疲れきってるご様子で手招きするから、あたしは先生にそろそろと近付いた。