極上お姫様生活【完】


「うう~…ん」



はぁー何だかすっごいいい気持ち。身体が軽くてふわふわふわふわ。




「飲ませすぎだ馬鹿」


「悪い…、まさか蒼空がこんな一気に飲むとは思わなくて」



八木原君、酔いは醒めたのかな?先生と何話してるんだろー?





「とにかくここにいちゃまずいだろ、蒼空の部屋連れてけ」


「あぁ」





ぼうっとしながら天井を見つめていると、身体が宙に浮いた。



お空を飛んでるみたいっ!




「調子乗ったわ。…悪かった」


すぐ近くで八木原君の声がする。顔を上げると、哀しそうな表情を浮かべた彼と目が合った。




「八木原…君?」



そんな顔しないで。そんな目で見ないで。




八木原君にお姫様抱っこされたまま隣の部屋に来たみたい。騒がしい声が聞こえなくなった。



「よ、っと。ほら、大丈夫か?」


優しく降ろされ、顔を覗き込まれる。うわわわ、顔近いよ!赤くなっちゃう!






「やっ…」


距離を置こうと動いた身体がグラリ傾く。あり?バランス取れな―――。




「ちょ、危ね…!」




< 392 / 397 >

この作品をシェア

pagetop