極上お姫様生活【完】
「うう~…ん」
はぁー何だかすっごいいい気持ち。身体が軽くてふわふわふわふわ。
「飲ませすぎだ馬鹿」
「悪い…、まさか蒼空がこんな一気に飲むとは思わなくて」
八木原君、酔いは醒めたのかな?先生と何話してるんだろー?
「とにかくここにいちゃまずいだろ、蒼空の部屋連れてけ」
「あぁ」
ぼうっとしながら天井を見つめていると、身体が宙に浮いた。
お空を飛んでるみたいっ!
「調子乗ったわ。…悪かった」
すぐ近くで八木原君の声がする。顔を上げると、哀しそうな表情を浮かべた彼と目が合った。
「八木原…君?」
そんな顔しないで。そんな目で見ないで。
八木原君にお姫様抱っこされたまま隣の部屋に来たみたい。騒がしい声が聞こえなくなった。
「よ、っと。ほら、大丈夫か?」
優しく降ろされ、顔を覗き込まれる。うわわわ、顔近いよ!赤くなっちゃう!
「やっ…」
距離を置こうと動いた身体がグラリ傾く。あり?バランス取れな―――。
「ちょ、危ね…!」