極上お姫様生活【完】
「違うんです!えと…これは、あの…机の上に置いてあって!!…誰のか分からないんですけど……とにかく返さなきゃって思って…」
最後の方はごにょごにょと、多分何を言っているのか全然分からなかったと思う。
こんなんじゃ絶対誤解解けないよ……。
「お前、自分が借りたわけでもない本をわざわざ返しにきたのか?」
八木原君の言葉は、あまりにも意外なものだった。
「え、…はい、まぁ」
曖昧に返事をすると、八木原君はパアッと笑顔を咲かせた。