極上お姫様生活【完】


「違うんです!えと…これは、あの…机の上に置いてあって!!…誰のか分からないんですけど……とにかく返さなきゃって思って…」


最後の方はごにょごにょと、多分何を言っているのか全然分からなかったと思う。



こんなんじゃ絶対誤解解けないよ……。





「お前、自分が借りたわけでもない本をわざわざ返しにきたのか?」

八木原君の言葉は、あまりにも意外なものだった。




「え、…はい、まぁ」



曖昧に返事をすると、八木原君はパアッと笑顔を咲かせた。



< 84 / 397 >

この作品をシェア

pagetop