偽りの温もり
ピンポーン…

「ほーい」

中からヒデの声。
ドアが開くと、私は
ヒデに飛びついた。

「ど、どーした?」

「ヒデ…シないの?」

ヒデは自分の身体から
私を放した。
私は分からなかった。

‐拒否られた…?‐

そう思った瞬間、
涙が出てきた。

何でなのかは
その時の私は
分からなかった。

けど、
リョウに女がいた、
しかも家にいて、
仲良さげだった、
そういう事が
リョウに恋してた私は
ショックだったんだ。

「リオ…」

「ヒデ…
私を彼女にして?」

もう、リョウの事で
悩みたくない。

こんな気持ち
初めてだった。

「ごめん…俺…」

多分、ヒデには
彼女がいる。
それは分かってた。

勘の鋭い女って
こうゆう時、損だ。

「…そっか」
< 15 / 120 >

この作品をシェア

pagetop