偽りの温もり
私の勘って
だいたい当たる。
いい事も嫌な事も。

私はふと
タツオからもらった
お金の事を思い出した。

いつまでも
持っておくのも怖い。

小さな交番を見つけ
中に入る。

「すいませーん……」

返事が、ない。
パトロール中?
んなわけない。
誰かいるはず。

「あのー…」

「……はーい!」

返事、遅…笑

てゆか、若い。
多分、20代前半。

「これ、落ちてたんで
持ってきたんだけど」

「じゃーこれ、
書いてもらえる?」

私は書類に記入していく。
名前、住所、電話番号、
そして拾った場所…

‐ラブホ‐

それを見た、警官の
顔色が変わった。

「これ…どういう…?」

「そのまんま。
相手からもらったけど
いらないから」

それから1時間
その警官の話を
聞かされた。

「この後、用あるから
これくらいに
してくれないと
お兄さん、
犯しちゃうよ?笑」

そしたら
顔を真っ赤にして
お金を受け取ってくれた。

男なんて単純。
それらしい事を言えば
コロッと落ちる。



やっぱり私は腐ってる。
ヒデにあんなに
言われたのに
反省の一つもなかった。

今の自分は
本当にダメな事に
ようやく気がついた。
< 20 / 120 >

この作品をシェア

pagetop